皆さまからの
「着物や帯って名称がいろいろあるし、使い分けがわからない」というお声にお応えして、
今日は、簡単に名古屋帯と、袋帯の違いをお話させていただこうと思います!
名古屋帯と、袋帯の違いは何でしょう?
答えは、ズバリ、長さなんです!!!
袋帯は4メートル20センチ前後の長さがあります。
  (物によって多少の違いはありますが)
名古屋帯は袋帯より短く、3メートル80センチくらいの長さです。
  (物によって違いがありますし、とくに古いものはこれよりだいぶ短いです)
まず、はじめに、袋帯をご紹介します。
これらの画像の帯ははどちらも袋帯なのですが、見た目や雰囲気がずいぶん違いますよね。
向かって右側の帯は礼装用、
左側のは礼装以外に使うおしゃれ着用の袋帯なのです。
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右の帯のように見た目も華やかな帯は礼装用とはっきりわかりますね。
色糸や金や銀の糸を使った織りで模様を作りだしているのも特徴です。
金箔や銀箔が使われたもっときらびやかなものもあります。
振袖、留袖、訪問着、色無地など、染め物の礼装着物に合わせます。
振袖には華やかな変わり結びで、ミセスは基本、二重太鼓に結びます。
左の帯は、「しゃれ袋帯」などと言われている、おしゃれ着物用の帯になります。
おしゃれ着物とは、織りの着物、「・・・・紬」、「・・・・絣」と言われる着物や、
染めの着物でも、着物全体に繰り返し同じ模様がある小紋のことです。
写真のものは織りの帯ですが、染めのしゃれ袋帯もありますよ。
手描き染めや、型染めの物もあります。
ただ、このおしゃれ袋帯は袋帯ですから長いという点が要注意!
長い分、アレンジ結びが出来る点はいいところなんですが、
気軽に着物を着たい、短い時間で着たい場合、長さに手間取ることもあります。
お太鼓結びをする場合は一重ではなく、二重太鼓を結ばなければなりません。
さて、次は名古屋帯です。
調べたところ、名古屋帯は大正時代に名古屋で考案された帯なのだそうです。
和装の歴史からいくと新しい帯なんですね。
帯結びがしやすいように、
胴に巻く部分や、手先を二つに折った形に縫ってあるものも多いです。
写真の右と左、両方とも名古屋帯です。(これらは未仕立て)
呉服屋さんでの未仕立ての状態では、棒に巻いてあります。
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名古屋帯は仕立てる際に帯芯を入れるのと、帯芯を入れないのがあります。
左は帯芯を入れないタイプ(8寸帯)、
右は帯芯を入れて仕立てるタイプ(9寸帯)です。
名古屋帯は礼装以外で使う帯です。
袋帯に対して、日常着に合わせる帯なんです。
 (爪つづれ帯という礼装にも使える帯がありますが・・唯一の例外です)
基本の帯結びは一重のお太鼓結びや角出し結びです。
左側の帯は、ざっくり織った質感が、いかにもおしゃれ着に合いそうですね。
紬や、ウール、木綿、小紋、おしゃれ着なら何にでも合わせて使えそうです。
一方、右の帯のように礼装にも使えそうな模様の帯もありますが、
名古屋帯は二重太鼓結びが出来ないので礼装には使えないと
覚えておいてくださいね。
このような帯は茶道などの和のお稽古時に好まれています。
タンスの中に入っている帯、たまには広げて見てあげてください。
懐かしい思い出がよみがえったり、
こんな帯あったっけ?という新しい発見もあるかもしれませんよ。
まずは気軽に名古屋帯から、着物を着て楽しんでみませんか?
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