先日のことです、

「ホテルで行われるお祝いのパーティに着物で行こうと思うのですが、

どの着物を着て行けばよいのか、
着物を着るときの小物が揃っているのか、見て頂けませんか?」
若いミセスのお客様からそんなお電話をいただきました。
お店に持ってこられた着物は
結婚の時に持ってこられたまま着る機会がなかったとおっしゃる
色無地と、訪問着でした。
(こんなイメージ。左が色無地、右が訪問着です。)
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色無地も訪問着も礼装の着物なので、お祝いのパーティなら
どちらを着られてもよいのですが、
色無地は色が少し地味目でした。
訪問着は花がたくさん描かれた華やかな物です。
せっかくホテルであるパーティに行かれるのでしたら
華やかだし、こちらの訪問着を着ていかれたら?とお勧め。
お持ちの帯も箔を使った華やかな袋帯なのでバッチリ合いました。
帯締めなどの小物も合うものを持っていらっしゃいました。
次に、
長襦袢に半衿がついているか確認し、
さっきの訪問着と、長襦袢の袖丈は合っているかな?と
訪問着と長襦袢を広げてみると・・。
あらら、袖丈が合わないのです。
長襦袢の袖丈は1尺3寸(約49センチ)
訪問着の袖丈は1尺4寸(約53センチ)
つまり、長襦袢の方が1寸(約4センチ)短いのです。
これは大変です!
このまま合わせて着たら、袖の袂から長襦袢の袖ががチラチラと出てしまいます。
それはちょっと格好悪いです。
そこで、訪問着の袖丈を長襦袢に合わせて当店で短く詰めることにしました。
ちなみにさきほど見た、色無地は長襦袢の袖丈と同じでしたので
色無地と長襦袢を合わせてお母様が誂えられたのでしょうね。
「袖丈の長さが違う場合があるとは、知りませんでした。」
「見ておいてもらってよかった!」とお客さま。
私も、電話やメールでお話していただけなら袖丈の長さを確認することを言わなかったかもしれません。
実物を見せて頂いてよかった!と安堵!
着物のことは、
時々、メールで質問をいただくことがあるんですが、
このお客様のように、実物の着物を見せていただくと、
質問以外にも大切な問題点に気づいてあげることができると
わかりました。
今回は私もよい経験をさせていただいたと思います。
やっぱり対面って大事です!
これからも、皆様、お店にきてくださいねー。